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「侘数寄」のこころ

数寄屋とは狭い意味で茶室のこと。広い意味で日本の伝統的な木造建築を指します。
室町中期に侘茶(わびちゃ)を示す言葉として「数寄(すき)」が用いられるようになり、
茶の湯を行うところを「数寄屋」と呼ぶようになりました。
そして、安土桃山時代に入ると「数寄屋」が茶室となり、
華美な装飾を可能な限り省いたコンパクトな空間に、
茶の湯の精神が注ぎ込まれました。

あきら建築は「侘数寄(わびすき)」と言われる心持ち。
「なり」(かたち・すがたの美しさ)、「ころ」(大きさ・比率・バランスの良さ)、
「ようす」(それぞれがもつ雰囲気)という美意識を大切に、
茶室の構成や意匠、材料の取り合わせ、
技法の創意工夫など、先人たちが残した芸術を後世に残せるよう、
洗練された空間づくりに研鑽しています。

茶道を極めていく中で、人は自然の中に溶け込み、
さらに自分自身をも深く見つめることにより、不動の信念が生まれます。

簡素で、侘のあるやわらかな佇まいの美しさは、
素材との対話を繰り返すことで生まれるもの。
自然界の「すがた」を凝縮した数寄屋は、
日本人として大切にしたい豊かな精神文化そのものです。

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